医療脱毛のジュールとは

医療脱毛のレーザーは毛の黒い色(メラニン色素)に反応させることで、熱を発して毛根組織を破壊します。
レーザーの出力はエネルギー量のことを指します。単位としては「ジュール(J)」と表記され、レーザーの出力値を表しています。基本的にはジュール数が上がるほど、出力が強いと言えます。

また、レーザーの出力は「パルス幅」によっても異なります。パルス幅とは、レーザーを1回照射している時間のことです。パルス幅は脱毛したい部位によって、長さが異なります。皮膚の奥に毛根組織がある太く濃い毛ほどパルス幅が長くなります。

レーザー出力による脱毛効果の違い

レーザー出力が上がるほど毛根へのダメージも強くなるので、脱毛効果を期待できます。しかし、脱毛効果が上がることで火傷や毛嚢炎のリスクも上がってしまいます。

医療レーザー脱毛には大きく分けて熱破壊式と蓄熱式の2種類の照射方法があり、レーザー照射時にターゲットとなる組織が違い、ジュール数やパルス幅が異なります。熱破壊式は毛の元となる「毛母細胞」と毛母細胞に栄養を送る「毛乳頭」を破壊し、蓄熱式は発毛を促す「バルジ領域」を破壊します。

熱破壊式はジュール数の高いレーザーを短いパルス幅で肌に照射します。メラニンに反応したレーザーが瞬間的に熱を発し、発毛組織を破壊する仕組みです。
一方、蓄熱式は低出力レーザーでバルジ領域に熱をじわじわと加えていくことから、ジュール数の低いレーザーを長いパルス幅で肌に照射しています。

ジュール数とパルス幅が脱毛方式ごとに異なっても、脱毛に必要なジュール数が照射されていれば半永久的な脱毛が可能になります。クリニックではリスクを考えた上で、部位ごとに適切なジュール数のレーザーを照射する必要があります。

レーザーを高出力にすることでのリスク

レーザーの出力が強いほど毛根へのダメージが増えるため、脱毛効果が期待できます。しかし、高出力にするということは周辺の肌へのダメージも大きくなり、肌トラブルのリスクが高まることになります。

以下のような肌トラブルが起きる可能性があります。レジーナクリニックではそれぞれのリスクを回避・低減させるための対応をしています。

火傷
レーザー照射時に発生した熱が発毛組織から肌に伝わって、稀にやけどすることがあります。レーザーの出力を抑えることでやけどのリスクは下がりますが、発毛組織を破壊するために必要なレベルの熱を発生させられない可能性があります。

レジーナクリニックでは、照射を担当する看護師が患者さま一人ひとりの肌質や毛質を見極め、細心の注意を払って照射出力を調整しています。
また、やけどのリスクを低減するために冷却装置のついたレーザー機器を採用し、肌を冷やしながら照射を進めております。

炎症
レーザー照射後は、照射時に発生した熱が皮膚にこもり、赤み・腫れ・ヒリヒリ感などの炎症が起きることがあります。
患部を冷やしたり保湿をしたりすることで、2~3日で治まることがほとんどです。数日経っても炎症が治らない、または悪化した場合はレーザー照射を受けたレジーナクリニックへご連絡ください。医師が診察をした上で適切な処置・処方を行います。その際は、患者さまによる追加費用のご負担はありません。
毛嚢炎
毛嚢炎(もうのうえん)は、毛穴に細菌が入り炎症が起きる症状です。毛穴にニキビのようなブツブツや膿疱が生じ、かゆみや痛みを伴うこともあります。
毛嚢炎が生じる主な理由は、レーザー照射時の熱による皮膚のバリア機能の低下です。毛嚢炎のリスク軽減のためには、肌を清潔に保ち、保湿などのスキンケアを行うことが大切です。

なお、レジーナクリニックでは、感染症予防のため、医療機器は都度、滅菌・消毒を行い、照射前の剃毛には使い捨てのシェーバーを使用するなどの衛生管理を徹底しています。

毛嚢炎はそのままにしておくと、色素沈着の原因となります。症状が現れた場合は、レーザー照射を受けたレジーナクリニックにご連絡ください。追加費用なしで、医師による診察や処置・処方などに対応します。