クリニックでは、レーザーの照射部位を日焼けしないよう患者さまに注意を呼び掛けています。日焼けして炎症を起こした肌へのレーザー照射や、照射後のデリケートな状態の肌への紫外線の刺激は肌荒れなどを引き起こす原因になるためです。

日焼けがレーザー照射や肌に与える影響を理解して、適切な対策を知っておく必要があります。

日焼けで炎症を起こした肌にレーザーを照射するリスク

日焼けをした肌は、紫外線によって炎症を起こし、肌表面にメラニン色素が増加しています。このような状態の肌にレーザーを照射すると、毛だけではなく肌表面のメラニン色素にもレーザーが反応してやけどをしたり、毛穴が炎症を起こす毛嚢炎(もうのうえん)になったりする可能性があります。

また、紫外線を受けて乾燥した肌や、褐色になった肌にレーザーを照射すると、痛みを強く感じることがあります。
そのため、日焼けによって赤みや痛みなどの炎症が起こっていたり、濃い褐色肌のためやけどのリスクが高いと医師が判断した場合は、レーザー照射を行わないことが一般的です。

発毛組織を破壊できない可能性がある

日焼けした褐色の肌にレーザーを照射する場合、やけどを避けるためにレーザーの出力を弱めなければなりません。出力を弱めると十分に発毛組織を破壊できない可能性もあります。

通院期間が長期化する

日焼けによる炎症が治まって肌にレーザーを照射できる状態になるまで1~2カ月以上の期間が必要です。そうすると、次回の照射を受けるタイミングが遅くなるので、通院期間の長期化の原因にもなります。

照射後の日焼けも要注意

レーザー照射後の肌は、照射時に発生する熱の影響によって普段よりデリケートな状態です。外部の刺激に敏感な状態の肌に日焼けをすると、シミや色素沈着などの肌トラブルを引き起こす可能性があります。

一度できてしまったシミやそばかすを治療するには時間や費用がかかります。肌トラブルを予防するためにも日ごろから日焼け対策を行いましょう。

日焼けをした肌でもレーザーを照射できる方法はある?

レジーナクリニックでは、褐色の肌へのレーザー照射に対応できる蓄熱式レーザー脱毛機も採用しています。(※一部の院を除く)
高出力のレーザーで毛乳頭を破壊する熱破壊式レーザー脱毛機とは異なり、蓄熱式レーザー脱毛機は、低出力のレーザーを繰り返し照射することでバルジ領域を破壊します。バルジ領域にある毛包幹細胞にじわじわと熱が届くため、やけどのリスクを低減させた照射方式です。

毛や肌の色に左右されにくい照射方式ですが、日焼けした肌の色味や肌状態には個人差があり、蓄熱式レーザー脱毛機を使用できない場合もあります。

照射部位を日焼けしていなければ熱破壊式でも対応可能

レーザー照射を希望する部位を日焼けしていなければ、熱破壊式レーザー脱毛機での対応も可能です。例えば、下半身の脱毛プランの契約中に腕を日焼けしたとしても、すねや太ももへはレーザーを照射できます。

レジーナクリニックでは、医師の診察により、日焼けした部位へのレーザー照射可否を慎重に判断します。軽度の褐色肌であれば照射することもありますが、褐色の濃い箇所へはレーザーを照射できないことがあります。照射できない箇所があっても、契約回数の1回分が消化となるので、日焼け対策をしっかりと行いましょう。

日焼けして予約をキャンセルする場合

レジーナクリニックの場合、予約日の2営業日前の20時までにご連絡いただければ、無料でキャンセルできます。

ただし、それ以降のキャンセルは照射1回分の消化扱いとなります。日焼けにより予約のキャンセルが必要か迷われる場合は、予約日の1週間ほど前に医師の診察にお越しいただき、予約日の変更を検討することも可能です。

レーザー照射期間中の日焼け対策は万全に!

レーザー照射期間中の肌は、紫外線などの外からの刺激に敏感な状態です。普段以上にしっかりと日焼け対策をおこないましょう。

紫外線が強い時間帯の外出を避ける

日焼けの原因となる紫外線が強い時間帯の外出はできるかぎり避けましょう。1日のうち紫外線量がピークを迎えるのは正午ごろで、その前後2時間も紫外線が強い時間帯とされています。

出典:気象庁

日焼け止めでしっかりと紫外線対策をする

紫外線は夏だけでなく1年中降り注ぐため、年間を通した対策が必要です。
海や旅行など屋外での長時間のレジャーだけでなく、日常的に日焼け止めクリームを塗り紫外線を防ぎましょう。通勤などの日常の外出の場合は、PA+~++、SPF30程度、強い日差しの中長時間外にいる場合は、PA++++、SPF50+程度などと状況に合わせて日焼け止めを使い分け、メーカーの推奨量を肌にまんべんなく塗ります。

日焼け止めは衣服との擦れや汗などで日焼け止めの効果が落ちてしまうため、2~3時間おきに塗り直すことが大切です。

日傘や帽子でも紫外線をカット

日焼け止めを塗る以外にも日傘をさしたり、帽子をかぶったりして紫外線を防ぎましょう。できるだけ肌を露出しない服装を心がけることで、直射日光を避け、紫外線による日焼けやダメージの軽減につながります。

日焼けしてしまったときの対処法

万が一日焼けしてしまった場合は、できるだけ早い段階でケアを行うようにしましょう。日焼け肌用の冷却ジェルやローションを使用すると、冷却と保湿を同時におこなえます。

日焼けした箇所を冷やす

日焼けをした肌はやけどで炎症が起きている状態と同じです。なるべく早く肌を冷やすことが大切です。

濡れたタオルや保冷剤で日焼けした部位の赤みやほてりが落ち着くまで冷やします。冷やしすぎると肌への刺激が強く、凍傷になるおそれもあるので、保冷剤はガーゼやタオルにくるんで使用しましょう。

日焼け後は必ず保湿する

日焼け後の肌は、紫外線のダメージによりバリア機能が低下し、乾燥した状態です。保湿によって、肌のターンオーバーが正常化し、日焼けした肌が元の肌色に戻りやすくなります。敏感肌用などの刺激が少ない化粧水などで日焼けした患部をしっかりと保湿してあげましょう。

しっかりと保湿すると、肌の水分量が保たれ、肌本来のバリア機能の回復のサポートにつながります。